駐車場の保有|相続税対策になる場合・ならない場合

駐車場がたくさんある=相続税がたくさんかかる!

「これまでは空き地ばかりだったけど、空き地を駐車場にしてから少しは儲けも出るようになったしいうことなしだ!」

空き地ではもったいない、駐車場に活用してはいかがですかという勧誘の言葉に誘われて、いくつも駐車場を保有している場合、相続税に注意しましょう。

実は、相続税を考えるにあたって、現金に次いで厄介なのが空き地や駐車場なのです。

現金はそのままの形で贈与できますし、不動産を購入することも可能で、また相続するときに分割させやすいのですが、土地だとそういうわけにはいきません。

財布にお金が入っていないから、ちょっと土地を売ってジュースを買おう、なんてことにはなりませんよね。

動かすのが大変で、現金化にもある程度時間がかかり、しかも、空き地や駐車場はそのままだと評価額を一切割り引きされないので、相続財産としてとても不利なのです。

よほど人気の駐車場で、毎月ものすごい金額を売り上げているという場合は別ですが、多くの場合駐車場を持っている人はなんらかの節税をしておいたほうが良いです。

今回は、駐車場を保有している方にぜひ使ってほしい節税方法を紹介します。

土地を分筆して評価額を下げよう!

土地の分筆、という考え方があります。

ある土地を使い勝手が悪いように分割し、複数人の相続人で相続する場合、分割した土地それぞれの評価額が下がるので節税になる、という対応策です。

基本的に土地は立地など利用価値、立地条件が良く、広ければ広いほど評価額が高くなります。つまり、相続税もたくさんかかります。使い勝手の悪い形に分割してしまえば、評価額を下げられるのです。

ただし、分割の仕方には色々と難しい部分もあって、こうすれば評価額が下がるだろう、という分割の仕方を一般の人が判断するのはまず不可能です。

分筆はしたが意味はなかった、なんてことにならないように、不動産鑑定士や税理士に相談して取り組むのがベストや方法です。

賃貸マンションを建てて土地を活用しよう

賃貸用の土地、賃貸用の建物は、自分で使うための不動産よりも評価額が低くなります。

それを利用して、駐車場や空き地がある場合土地を潰して賃貸マンションを建ててしまう、というのも効果的な節税です。

 賃貸マンションなら条件さえ良ければ家賃収入も見込めますし、評価額も下がるので、相続税の節税をしつつ良い財産を残しやすいのです。

また、駐車場や空き地に自宅を建てて引っ越しをし、住宅に小規模宅地等の特例を使う、という方法もあります。

思い切って土地を処分するという考え方

駐車場や空き地をいくつか持っていて、ほとんど使っていない。賃貸マンションを建てようにもアクセスの良くない土地だし、戸建てを建てるにも向いていない。

そんな土地は、思い切って処分してしまいましょう。

土地を処分してどうするんだ? せっかくの資産が減ってしまうじゃないか、と思うかもしれません。しかし心配無用なのです。

駐車場を売却したお金を使って、使い勝手の良い土地や不動産を購入しましょう。

説明した通り賃貸用の不動産は購入額よりずっと低い評価額がつけられるので、それだけで節税になります。

また、節税だけでなく相続のやりやすさを考えて土地を処分するというのも一つの手です。共有名義にしたり、誰か一人だけに駐車場を含む遺産を相続させると、偏りが出やすくなってしまいます。

相続の割合で争うことのないように、例えばあまり仲の良くない兄弟に遺産を残すときは、手持ちの不動産を処分して同程度の価値がある不動産に組み替えしておくのもおすすめです。

多少の確執がある間柄でも、同程度の遺産が相続できればトラブルに発展する可能性は低くできます。

必要のない土地、使いづらい土地は現金にして贈与を

使わない土地や、あまり思い入れのない土地に関しては、売り払って現金にしてしまうことで節税できます。

単純に現金にしただけならなんの節税にもなりませんが、そこから生前贈与で相続税や贈与税がかからないように贈与しておけば、節税しつつ好きな金額を遺族に残せるのです。

不動産、特に土地、駐車場を持っている場合、亡くなってからなんらかの相続税対策をしようとしても効果がない場合が多いです。

余裕のあるときから相続を見据えて対処していきましょう。