まるで2時間ドラマ!?相続トラブルのよくあるケース

相続トラブルはドラマのなかの話ではない

「あんたなんかに、相続させてたまるもんですかっ!」

「どうしてお前がそんなに相続するんだっ!」

なんて具合に相続について揉めてしまうお話は、古今東西さまざまな本やドラマでやり尽くされてきたテーマですよね。

とくに、富豪と相続なんてキーワードが並んでしまうと、高確率で名探偵がやってきて、密室殺人が起こったりします。

ドラマなどでよくみるシチュエーションだけに、あなたも「我が家に限って、相続トラブルなんて起こるはずがない」なんて思ってはいませんか?

家族だから、仲が良いから、介護をしたから、長男だから・・・相続においては、そんな油断や余裕から、思いがけず揉め事に発展してしまうのです。

ここでは、相続トラブルはどんなケースで起きるのかを紹介することで、いかに生前トラブルが起きないように調整をするのが大切なのかを説明していきます。

家族だからこそトラブルに・・・

「家族だからトラブルにはならない」

「仲が良いからトラブルにならない」

はっきり申し上げてしまいますが、多くの場合、相続時のトラブルは家族だからこそ起こるのです。

もちろん、親子関係が悪かったり、子供同士で仲が悪いとトラブルになりやすいのは確かです。

もともと仲の悪い関係性に、さらに「相続」という大きなお金が動く話題を放り込むわけですから、高確率でトラブルになるのは想像に難くありません。

しかし、これまでは家族として仲良くやってきたはずなのに、いざ相続のことになるとこじれにこじれ、関係断裂・・・というケースが少なくないのです。

故人が亡くなったあとに行われる相続では、「これまでいえなかったこと」「我慢してきたこと」が一気に噴出してしまいます。

不満としてよくあるのは、

「兄弟のなかで一人だけ私立の大学に行ったじゃないか!」

「介護もろくにしなかったくせに、相続はしっかりくれなんて、どういうつもりだ!」

「お前だけいつも可愛がってもらっていたろう! ずっと我慢していたんだ!」

といったパターンです。

兄弟だから、親子だから、仲が良かったからこそ我慢していたうっぷんが出てしまい、相続分の言い争いになりやすいのです。

家族でなくともトラブルに!?

相続人同士のトラブルとしては、「あなたにとっての家族」でない人が絡んでくるパターンも多いです。

例えば、故人に隠し子がいて、その子に相続分のほとんどを持っていかれてしまう。

「そんな人がいるなんて考えもしていなかった」だけに、話がこじれやすいです。

また、これまで家に寄り付きもしなかった兄弟の奥さんや旦那さんが、我が物顔で「うちの相続分は!?」と口を出してくる。親戚があれこれと口出ししてきて、一度決まった相続の話が流れてしまう。

意外かもしれませんが、こういったトラブルの種は実際によくあります。

法律で相続順位や相続権が決まっていても、その周辺の人間関係まで規程できるわけではありません。

ときには法律を越えた感情的な部分のやりとりや、親戚づきあい、家族づきあいからごたごたしてしまうこともあるのです。

相続税の改正に伴って、トラブルも増える可能性がある

家族同士でも、家族でない人が入ってきても、他人である以上揉め事に発展してしまうリスクは決してなくなりません。

とくに知っておいてほしいのは、2015年の税制大改正に伴って、相続税を支払わなければならない人が増えるので、今後さらに相続トラブルが増えていく可能性が高い、ということです。

相続税を支払わなくても良いご家庭でも、相続トラブルは起きてしまいます。

そこに相続税の支払いという負担がのしかかってくるわけですから、ますますトラブルになりやすくなるのは間違いないでしょう。

相続トラブルの多くは、故人が生きている間にきちんと相続人同士で話し合っておくことで、十分回避することができます。

お金の話、遺産の話はなかなか口にしづらいものですが、とても大切なことなので、積極的に話し合いの場を持つようにしましょう。