相続トラブルを避けるために、生前に対策すべし!
相続関係のトラブルは、とても根が深いです。
一旦トラブルになってしまうと、お互い引込みがつかないので、ことによると
「家族の縁を切る!」
「あんな人とは付き合いたくもない!」
なんてことになってしまいます。
場合によっては付き合いを断つことでほっとする、なんてこともありますが、財産を残す人は、相続人同士を争わせるために自分の遺産を残しているはずはありませんよね。
理想としては、相続人全員がしっかりと納得をし、トラブルにならないようスムーズに遺産分割や申告まで終えてしまうことにほかなりません。
面倒な相続トラブルを避けるためには、どうすれば良いのか?
すべては、生前にしっかり対策できたかどうかで決まるのです。
相続について意見共有をしておこう
相続トラブルが起こってしまうのは、「相続人それぞれで遺産に対する考えが違うから」です。
ちょっとした例を考えてみましょう。
そろそろ遺産について考えようかなと思っている鈴木さんには、2人の息子がいます。
子どもたちはどちらもかわいいですし、奥さんも亡くなっているので、「遺産は兄弟2人で、半分ずつ仲良くわけてほしい」と考えています。
しかし、長男は「長男なんだから、親父の遺産は自分が相続して当たり前」と思っています。
一方の次男は「同居して親父の介護をしたのは自分たち。だからたくさんもらって当たり前」と考えていたりするのです。
被相続人と相続人、そして相続人同士で遺産相続に対する考えが違うと、あっという間にトラブルのできあがりです。
また、鈴木さんに隠し子がいたり、以前結婚していたときの子供がいたりすると、その子にも相続権が発生します。もし2人の息子が子供の存在を知らなければ、スムーズに遺産分割を、とはなりません。
生前に遺産分割協議書を作ってみよう
遺産相続のさいに起きる意見のすれ違いや誤解、情報の不足をなくすために効果的なのは、「鈴木さんが生前に、しっかり息子2人と遺産相続について話し合っておくこと」です。
「こういうふうに遺産をわけて欲しい」「自分はこれくらい欲しい」といった話し合いをして意見を擦り合わせ、大筋で合意していれば、あとから揉める可能性をぐっと抑えることができます。
たとえ隠し子がいても、その存在を知っていれば事前にどうするかを話し合っておけるのです。
できれば本格的に、生前に行った遺産分割協議について、それぞれの署名捺印をした書類を作っておくのがおすすめです。
口頭での承諾でも効果がないわけではありませんが、あとになって言った言わないの話になったり、意見を翻す口実になってしまうので、避けておいたほうが無難です。
遺言書を書こう
もっと効果的なのは、上記の対策に加えて、「遺言」を残すことです。
きちんと形式を守った遺言の内容は、法定相続分よりも優先されるので、鈴木さんの望み通り遺産相続をさせることができます。
鈴木さんが前もって自分の考えや遺志を書面として残しておけば、万が一のことがあっても2人の息子に自分の思いを伝えられます。
遺言書はパターンわけしよう
そしてできれば、遺言書は一つだけ作るのではなくて、あらゆる状況に対応できるよう作っておきましょう。
鈴木さんの場合であれば、「自分が亡くなったとき」「自分と長男が事故などで同時に亡くなったとき」「家族3人が同時に亡くなったとき」など、複数のパターンで遺言を作っておくのがおすすめです。
さまざまな状況に対応できるようにしておけば、鈴木さん自身の遺産を好き勝手されることはありません。
とくに、介護をしてくれているのが相続権を持たない息子のお嫁さんである、などの場合は、きちんと遺言を残しておかないと、相手に報いることができないので注意しましょう。
相続トラブルを回避するためには、いかに生前に手を打っておくかが重要です。
「きっと仲良く相続してくれるはず」
「多分問題は起こらないだろう」
といった思い込みはトラブルの原因になので、取れる対策はすべて取っておく、くらいの気持ちでのぞみましょう。
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