相続税でペナルティ?必ず知っておきたい申告期限

相続税の申告には期限がある

相続税は、相続人が故人がなくなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければならない、と期限が決まっています。

大抵の場合、相続が必要な故人が亡くなったことはすぐ親族に知らされますから、例えば2月の1日に故人が亡くなった場合、その年の11月1日が申告の期限になるということです。

この期限は原則として動かすことができないものなので、相続が始まってから10ヶ月以内に誰にどう遺産を分割するのかを調整し、相続税の申告を行わなくてはなりません。

もし、10ヶ月という期限内に相続税の申告ができなかった場合はどうなるのでしょうか?

そのときは、申告をしていないことによるペナルティを受けてしまいます。具体的には、納めるべき相続税に加えて、加算税や延滞税が上乗せされます。

なお、相続税の納税の期限も同じく10ヶ月以内なので、申告と同時に納税もしなければなりません。

納税はやむを得ない理由がない場合現金での一括払いですし、相続資産がたくさんある場合たった数%の加算税が数百万円、数千万円という大きな増額になるので、期限内の申告を心がけましょう。

10ヶ月以内に申告できない場合はどうしたら?

遺産分割の話し合いがうまくいかずに困っている、隠し子が見つかってしまったなど、事情があって10ヶ月以内には申告ができそうもない、なんて場合もあります。そんなときはどうすれば良いのでしょうか。

どんな事情があっても、申告しなければ無申告です。放置していれば巨額の加算税で苦しむことになってしまいます。

この場合、おすすめする方法は「とにかく相続税の申告をしてしまう」ことです。

実際の割合はともかく、法定相続分で計算をして申告を行いましょう。そうすれば、少なくとも無申告による大きなペナルティが発生することはありません。

もちろん、実際の遺産分割と異なる申告になっているはずなので、その場合は後で申告内容を修正して適切な金額の相続税を納めます。

申告内容が間違っている場合の対処法

とりあえずの申告を行っていたり、申告後に遺産が見つかったりした場合、申告内容が間違っていることになるので、修正申告を行います。

間違いがあることに気がついた場合、すぐに修正をするようにしましょう。

気づかずに放置していて税務署の調査で数字に間違いあることがわかった場合、本来納めるべきだった相続税に過少申告加算税がかかります。

なお、本来の納税額より少なく申告していることに気がついていた場合、脱税とみなされます。

逆に、相続税を多く納税している場合は、更正の請求を行うことが可能です。

更正の請求をすると、払い過ぎた相続税が戻ってきます。ただし、更正の請求ができるのは、本来の申告期限から5年以内です。

申告期限は延長できる

やむを得ない事情がある場合、特例として10ヶ月の申告期限をさらに2ヶ月延長することができます。

延長ができるのは、

  • 災害などがあって申告どころではなかった
  • 相続人や遺産が増えたり減ったりした

場合です。

後者の理由をもう少し詳しく説明すると、相続の開始から9ヶ月以降に、

  • 誰それに遺産を遺贈するという遺言書が見つかった
  • 遺贈の放棄があった
  • 相続人の数が変わった(相続人の認知、排除、欠格、放棄)
  • 遺留分の減殺請求があった
  • 退職金や生命保険の金額がわかって遺産の総額が増えた

といった変化がある場合となります。

遺言書が見つかったり、遺産が増えたり、相続人が増減したりすると、それまでに行ってきた遺産の分割をほとんどやり直さなければならなくなるので、ちょっ
と期間をおいても良いですよというわけです。

ただし、あくまでもやむを得ない事情があると認められた場合のみなので、やはり原則としては10ヶ月以内に申告と納税を行うことが大切です。