贈与税の「課税財産」と「非課税財産」の違いを知ろう!

贈与税の「課税財産」と「非課税財産」の違いを知ろう!

「どんな財産なら贈与税がかかって、どの財産なら贈与税がかからないのか」

悩んだことはありませんか?

生前贈与を有効活用し、贈与税と相続税をうまいことやりくりして節税をするためには、贈与税の「課税財産」と「非課税財産」の違いを知っておかなければなりません。

例えば、「奥さん名義でブランド物のバッグをローンで購入して、旦那さんがその代金を支払ったら贈与税がかかるのか?」「生命保険金は贈与なの?」といった疑問に答えられないと、節税どころか、思わぬ場面で贈与税の納税を求められてしまうからです。

というわけで、今回は贈与税の対象になる課税財産、見落としがちなみなし贈与財産、非課税財産を順番に紹介していきます。

課税財産のまとめ

贈与税の課税財産=「金銭的な価値で換算できる財産」、つまり相続財産だと思ってもらって構いません。

どうしてかというと、「しめしめ。相続が始まるまえに、財産のほとんど贈与してしまえば相続税がかからないぞ!」といった行為を防ぐのが、贈与税の役割だからです。

試しに、ちょっと列挙してみましょう。

課税財産に数えられるのは、

  • 土地建物
  • 預貯金、現金
  • 骨董品、美術品
  • 自動車
  • 貴金属、宝石
  • 借地権
  • 債権

などです。

要注意!見落としやすい「みなし贈与財産」のまとめ

一番やっかいなのが「みなし贈与財産」です。

例えば、相続税には「故人が亡くなるまえの3年間で贈与したものは、相続財産とみなす」なんて決まりがありますよね。

贈与税にも同様に、一般的な贈与でなくても、贈与税の課税対象とみなす財産がいくつか存在するのです。

というわけで、これもまとめて紹介していきます。

◎生命保険

別の人が掛け金を払い、あなたが受け取る生命保険金はみなし贈与財産です。

◎定期金に関する権利

生命保険と同じく、定期金(定期預金など)もみなし贈与財産。

自分で掛け金を払っていない=贈与と考えます。

◎財産の低額譲り受けによる利益

例えば、自分の子供に自分が持っている不動産を安く譲ってあげた。

このように市場の相場や本来の価値、時価から安く財産を譲った場合、本来の時価と譲り受けた価格の差に贈与税がかかります。

◎債務免除等による利益

債務免除というと堅苦しく聞こえますが、要するに「借金の肩代わり」のことです。

子供の借金を親が肩代わりする、なんてケースですね。

◎その他

その他、土地や金銭を無利子で貸してもらったり、安い金額で譲ってもらったり、自分で購入していない信託を譲ってもらったりした場合です。

みなし贈与となるポイントは、「贈与を受けた人が対価を払っていない」「別の人が対価を払っている」ことで、贈与を受けた人が得をしているという事実です。

例えば、夫婦共働きで一戸建てを購入するとして、実際にローンを払うのは旦那さんのみであり、所有者は奥さんで登記していると、みなし贈与財産になります。

共働きなのに、収入に応じて一戸建ての購入資金を分担していないからです。

ですから、冒頭で触れた「奥さんがローンで購入したブランド品を、旦那さんが支払いした場合」も贈与となります。

なお、みなし相続財産は、状況によって相続財産にカウントされる場合もあります。

非課税財産のまとめ

最後に、贈与税が非課税になる財産についてまとめて終わりましょう。

全部で11種類ありますが、贈与税の非課税の特例なども含みますし、今回は大まかに説明します。

法人からの贈与財産

贈与税や相続税は、「個人→個人」へと財産が移動するときにかかります。

なので、「会社→個人」への贈与の場合、贈与税は非課税です。会社勤めをされている方なら、毎月会社という法人から給料を受けとっていますよね。

給料と同じように、所得税の対象となるのです。

扶養義務者からの贈与

親が子供の生活費を負担する、祖父母が孫の教育資金を援助するなど、生活上必要な贈与や教育資金の援助は贈与税の対象とはなりません。

もしここにも課税してしまうと、極端な話「はい、今月のお小遣いは1000円だけど、贈与税がかかるから900円渡しておくわね」なんて事態になってしまうからです。

相続開始の年に贈与された財産

故人が亡くなったのが3月だとして、1月に贈与を受けていた財産に関しては相続税の対象になります。

その他

離婚したときの共有財産の分割や、公共事業に使うために贈与された財産、お見舞いや香典など社会通念上必要な出費、公職選挙法にもとづいて集め、報告している財産、障害者や障害者を不要する人が受ける、特定の給付金などなど・・・。

以上のような贈与に関して、贈与税は非課税です。

それぞれ非課税の限度額があったり、適用条件があったりするので、詳しいことは専門家に聞きながら考えていくのがおすすめです。

贈与を使って節税する方法は、「いかに非課税のまま贈与をするか」「贈与税がたくさんかかる贈与を避けるか」にかかっています。

課税、非課税の知識は持っていて損のないものですから、ぜひ活用してみてくださいね。