「宅地の評価額」の計算方法を知る重要性が高まっている!
遺産相続をするとき、「一般的な財産」といえばなにを思い浮かべますか?
銀行や郵便局に預けてあるお金、たんす貯金や生命保険。そして、「家と土地」ではないでしょうか。
実際問題として、「現金はないが家はある」「子供に家を残してあげたい」という方はとても多いです。
ただ、土地建物などはどうしても一つあたりの評価額が高いのです。
東京など地価の高い土地に一戸建てを持っていたりすると、資産家でない人でも相続税がかかってしまうくらいです。
2015年から相続税のルールが大きく変更されたことによって、今後はより宅地の扱いが重要になってきます。
宅地の評価額がどのようにして決まるのかを知っておけば、「相続税がかかるかもしれないから、いまのうちに対策をしよう!」なんてふうに準備できますよね。
そんな宅地の評価額を決める方法は、大きく分けて2つしかありません。
「路線価方式」と「倍率方式」です。ここでは、より活躍するシーンの多い「路線価方式」について説明していきます。
市街地の宅地なら大体「路線価方式」で計算する
多くの場合、宅地の評価額を計算する方法は「路線価方式」と呼ばれるものを使います。
普通に考えると、「家がある場所」には大抵道路が通っていますよね。
果てしなく広がる荒野のなかに、ポツンと一戸建てが建っている・・・そんなアメリカの映画で良くあるような家は、日本ではまずありません。
住宅街や、住宅街でなくても、家が建っている土地は道路に接しています。
そこで、「駅からの近さ」「周辺の地価」「その他の利便性」などを加味して、国税庁は「道路に面した土地1㎡あたりの金額」を路線価として公表しているのです。
例えば、1㎡あたり70万円と路線価が決まっているところに、合計30㎡の土地を持っていたとしましょう。細かいところを省略すれば、この土地の評価額は、
- 路線価×土地の面積=70万円×30㎡=2100万円
となるわけです。
では、そんな路線価はどこで調べたら良いのでしょうか。
国税庁のホームページで調べてみよう!
じつは、路線価を調べるのは簡単です。
国税庁のホームページで、過去7年間分の路線価図をタダで調べることができるからです。
路線価図は毎年更新されるものなので最新版だけを見れば良いのですが、自分で調べる場合、「路線価図をどうやって読むか」を知っておかなくてはなりません。
とはいえ、路線価図の見方はそんなに難しいものではないので心配無用です。
「地図記号について知っていると、地図を見たとき詳しい情報がわかる」といった程度のものです。
試しにちょっと調べてみて、良くわからない場合は路線価図の見方を確認したり、専門家に投げてしまったりするのも良いでしょう。
路線価の計算をするうえで大切な、各種の補正率
路線価の説明をするとき、路線価×土地面積、という計算式を使いましたよね。
実際の計算では、ここに「補正率」という考え方が入ってきます。
例えば、「奥行価格補正率」というものがあります。
道路から見て、土地の奥行きがありすぎたり、逆に奥行きがなさすぎると、土地の形はいびつになってしまいますよね。細長い長方形をした土地に、四角い家を建てると土地が余ってしまいます。
なので、奥行きのありすぎ、なさすぎな場合は少し評価額を安く補正できるわけです。
路線価とこれらの補正率を使うことで、「土地の利便性」や「土地の形」をふまえた適切な評価額を求められるのです。
補正率には、いろいろな種類があります。
よく使われるのは、「側方路線影響加算率」「二方路線影響加算率」です。
これらは、「角地の場合に使う補正率」「土地を挟むように道路がある場合に使う補正率」です。
角地や正面以外に裏側も道路に面している場合、一方向だけ道路に接しているより土地としての利便性が良くなります。車の出し入れや人の出入り、建てる住宅の間取りなどもより自由にできますよね。このように、利便性が良くなる場合はちょっと評価額をあげるわけです。
他にも、土地の状態や形によって、「不整形地補正率」や「間口狭小補正率」「奥行長大補正率表」「がけ地補正率」といった補正率を利用します。
路線価方式を知っておけば、気が向いたときいつでも相続財産の評価額を計算できます。
一度、国税庁のホームページで路線価図を調べてみてはいかがでしょうか。
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