相続財産の納税額を決める「評価」は税理士・鑑定士の出番

納税額を決める財産評価!

「遺産相続をするときは、相続税を支払うかもしれない!」

皆さんご存知ですよね。

ただ、「自分が支払う相続税の金額はいくらなんだ?」というのはよくわからない方が多いのではないでしょうか。

相続税の納税額をはっきりさせるためには、まず、「故人の財産を全て現金として数え直す」必要があります。

例えば、現金1億円に対する納税額を計算するのはとても簡単ですよね。

相続税の税率を調べて、控除なども考えなければなりませんが、それでも大体計算は以下のようなもので済みます。

  • 1億円×(1億円以下のときの相続税率)30%-控除700万円=2300万円

計算はとてもシンプルです。

では、「今住んでいる家を相続するときの納税額」はどのように求めれば良いのでしょうか?

家は現金ではありませんから、簡単にいうと、「家を売ったときいくらになるのか」「いくらで売れるくらいの価値があるのか」を考えることで、現金のときと同じように納税額を計算できるわけです。

1億円の家に対しては、現金1億円のときと同じように相続税がかかりますし、5000万円の家に対しては、現金5000万円×相続税率ぶんの納税が必要になります。

とはいっても、「この財産はいくら?」なんて普通の人にはわかりませんよね。

家や土地、美術品などのように、「一見してもいくらなのかわからない財産」はどう評価するのでしょうか。

家に土地、美術品・・・お金でないものはどう評価するの?

相続財産の評価は大変です。

どうして大変なのかというと、「素人では値段がわからない」からです。

基本的に、相続財産の評価は「いまいくらですか?」や「相続をする年の1月1日時点でいくらですか?」で考えます。

「そのスマートフォンいくらで買いました?」と聞かれたら、なんとなく答えられると思います。ですが、「そのスマートフォン、いま売るといくらくらいになると思いますか?」だと答えるのは難しいはず。

現金ではない資産を相続するときは、財産評価をして値札をつけてあげなければならないのです。

そして、家や土地などの不動産、美術品など、値札のついていない財産を評価する方法は、それぞれ個別に考えます。

例えば、土地の評価額を調べるときは、国税庁が毎年出している「路線価」を使います。

道路に面している土地1㎡あたりの価格が公表されていて、路線価をもとに土地全体でいくらなのかを計算するわけです。

家宝のつぼや掛け軸などがある場合、骨董品を鑑定できる人に頼まなければなりません。

美術品も土地も、常に評価額が一定ということはなく、プレミアがついて価格があがったり、人気がなくなって価格が下がったりもします。

ですから、現金や株券など、評価額のわかりやすいもの以外の財産がある場合は、「評価の専門家」を頼ったほうが良いのです。

確実な財産評価のために必要な専門家「税理士」「鑑定士」

納税額は相続財産の評価によって大きく変わります。

ですが、家の評価額、土地の評価額、美術品の評価額なんて普通の人にはわかりません。

適当に値付けをして納税するとしても、後々の評価でじつはまったく違う評価額だった! なんてことになると、追加徴税などでとても面倒なことになってしまいます。

そこで登場するのが、各種財産の鑑定をしてくれる専門家の存在です。

相続財産の評価をするときに頼れる専門家は、「税理士」「不動産鑑定士」「美術鑑定士」などです。

財産の評価というのは、ものすごく高度な専門知識が必要なので、大抵資格が必要な仕事になっています。専門家に財産の評価、値札づけをしてもらうことで、ようやく納税額の計算ができるようになるわけですね。

「あれ、じゃあ税理士は関係ないんじゃ?」

確かに、税理士の仕事は税金の計算や手続きのあれこれであって、財産の評価ではありません。

しかし、例えば土地を売ったり買ったり、形を整えたり、分けたりなどの方法で「相続税の節税」をできるのが税理士なのです。

税理士に頼んでおけば、そこから個別の鑑定士に連絡を取ってもらったり、最終的な納税額を計算してもらったり、面倒な手続きを代行してもらったり、さまざまな面で楽ができます。税金の過払いや過少申告も防げます。

生前に税理士に相談することで、大きく節税することも可能です。

遺産相続をするときは、「専門家を入れたほうが楽」だと覚えておきましょう!