現金預金や動産の財産評価をしよう!
「預金やゴルフの会員権、宝石や絵画、壷」などがある場合、どのように評価をするかと聞かれたとき、あなたは答えることができますか?
「預金なんて通帳を見ればそれで金額がわかるでしょ!」なんてふうに思っていると、正しい評価をできず、相続財産の評価額が思っていた以上になってしまって税金が・・・なんてことにもなりかねません。
いわゆる土地、建物のことを不動産と呼びますよね。不動産以外の資産のことを、動産と呼びます。今回は、預金を含む動産の評価方法を、一つずつ確認していきます。
普通預金は残高=評価額
預金にいくつか種類があるのはご存知でしょうか。
通常、多くの人が利用するのは「普通預金」です。毎月の給料が振り込まれて、生活費や携帯電話料金の引き落としがされるタイプの預金ですね。
銀行やコンビニのATMを使って、自分の口座から現金を引き出したことがない、という方はあまりいないと思います。
預金の種類には、普通預金以外に「当座預金」、そして「定期預金」があります。
当座預金に関しては、あまり馴染みのない方が多いでしょう。当座預金は、簡単にいうと「決済専用の預金」です。
小切手の支払いなどに利用できる口座で、利息はつきません。定期預金に関しては次で説明しますので、ここでは普通預金の評価方法を説明します。
とはいっても、難しいことはありません。
普通預金の評価額は、残高、預入額そのものだからです。普通預金には利息もつきますが、微々たるものなので考慮に入れる必要がなく、通帳があれば評価額はすぐにわかります。
なお、もしアメリカドルなど日本円以外の預金などが相続財産として残されている場合、一旦日本円に換算して評価額を求めます。
レートは、相続開始日のTTB(対顧客直物電信買相場)を利用します。
定期預金は利息も含めて計算すべし
定期預金は、普通預金に比べて少し複雑です。
定期預金とは、「一定期間引き出しができない代わりに、通常の預金より利息がたくさんつく」という預金方法です。利用されている方も多いですよね。
定期預金の場合、普通預金に比べてはるかに金利が高いので、「預け入れてある金額+相続開始までに発生した利息」を計算したものが評価額となります。
なお、利息は「相続が始まった日に定期預金を解約すると、利息が○円つく」という考えで求めます。利息は儲けなので源泉徴収される場合もあります。
計算式にすると、
定期預金の残高+発生している利息-利息に対する源泉徴収=定期預金の評価額
となります。
定期預金を契約している金融機関に、残高証明を出してもらうと良いでしょう。
その他動産は専門家に鑑定してもらおう!
動産は不動産以外の資産、財産のことなので、実際にはいろいろな種類があります。
現金以外の動産は「専門家に見てもらって出した鑑定額=評価額」だと覚えておけば問題ありません。
絵画や骨董品、美術品、芸術品、金塊、宝石や高価な服飾品などなど、現金に換算できそうなものはすべて鑑定してもらいましょう。
とくに注意が必要なのは、美術品、芸術品などの高額な財産です。
たとえば、高名な芸術家の作品を購入していたとして、鑑定士に見てもらったところ実は偽物だった、なんて話もあります。
真贋の判定はもちろん、どの程度の価値があるのかを鑑定してもらい、証明書を付けてもらうことでようやく評価額が判明するのです。
ゴルフ会員権がある場合の注意点
ゴルフ会員権がある場合、ちょっとだけ注意しましょう。
ひとくちに会員権といっても、相続財産にカウントされるかどうかは条件が決まっているからです。
- 会員になるために株の購入か、もしくは預託金が必要になっていること
- 株の購入か預託金を払って得た会員権で、なおかつ他人に権利を譲渡できること
が必要なのです。
単純に会費を払って加入できるゴルフ会員権は、相続財産にはあたりません。
平たくいうと、預託金がいるなどのゴルフ会員権は「高額で購入するものであり、高額で売却できる資産」なのです。
会費を払っているものでは、故人が亡くなった時点で契約は終了です。
単純に動産だからと考えていても、評価額が確定するまではさまざまなことを考慮しなければならないのです。
鑑定が必要な動産がある場合、きちんと専門家に頼みましょう。
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