借り手のいない賃貸マンション、空きの多い駐車場は処分して節税しよう!
「借り手のいない賃貸マンションや駐車場をなんとかしたい」
なんてお悩み、お持ちではありませんか?
少しまえまでは契約車両でいっぱいだった駐車場、大人気で空き部屋の問い合わせが来るくらいだったのにめっきり入居者がいなくなった賃貸マンション。
不動産の運営によって収入を得ている人、単に土地を持っているだけでは儲けにならないからと不動産を持っている人は結構いますよね。
あなたの奥さんやお子さんへの相続を考えるなら、「収益性の低い財産」はできるだけ手元から切り離してしまいましょう。
節税というといかにも面倒そうで、大変なイメージがあるものです。
ですが、「不要な財産を処分することで、今後の自分たちの生活が豊かになる」としたら、興味も湧いてくるのではないでしょうか。
今回は、不要な財産を処分することで元手をつくり、自宅の立て替えをして節税した篠田さん一家の事例を取り上げていきます。
親から相続した財産を処分することで、節税を目指す篠田さん一家
篠田さんは、奥さんと2人の子供を持つ50代の男性です。
子供たちも立派に成人し、奥さんとの仲も良好ですが、お父さんから相続した財産の処分には頭を悩ませています。
お父さんが建てた築40年の自宅に広大な駐車場、駅前の賃貸マンションなどを相続したものの、自宅は経年劣化でボロボロですし、駐車場だって借り手がいない状態です。
相続した財産を売り払うことでなんとか相続税は納めましたが、篠田さんの手元には2億円の資産が残されています。
自分の奥さんや子供たちには自分のような相続の苦労をさせたくない。
考えた篠田さんは、財産を整理することにしました。
契約者の少ない駐車場は、思い切って処分する
篠田さんの総資産2億円のうち、悩ましいのが300坪ある駐車場の存在です。
昔は人気もあって満車でしたが、最近は周囲のお店も少なくなってきており、借り手も減っています。
駐車場の評価額は1億円。もはや駐車場からの売上では固定資産税もまかなえません。
調べてみると、宅地としては好条件の立地だということがわかったので、宅地として売りに出しました。
300坪では広すぎて売れないので、100坪ずつに分筆して売りに出したところ、なんと1億2000万円で売れてしまいました。
1億円の資産を1億2000万円で売ったわけですから、当然資産は増えていますよね。
このまま現金で持っていても将来の相続税が増えるだけなので、売却金を元手に資産の組み替えをしていきます。
処分した財産を元手に自宅を立て替えて節税する
1億2000万円もの現金を使って行うのは、「自宅の立て替え」と「賃貸マンションの購入」です。
篠田さんが相続した家は築40年とかなり古く、火事や地震への対策にも不安があります。
そこで、8000万円かけて自宅を建て替えることにしました。
もとの家の解体費用が「300万円」として、自宅の評価額は固定資産税評価額により購入額の40%、「3200万円」となりました。
賃貸マンションの購入
篠田さんがお父さんから相続した賃貸不動産は、大学の近くということもあって入居者が途切れない人気物件です。
同じマンションの別の部屋がたまたま売りに出されていたので、一戸を4000万円で購入します。
賃貸不動産の場合、評価額は固定資産税評価額からさらに30%低くなりますから、現金4000万円で購入したマンションの評価額は、「1120万円」です。
生前贈与で現金を減らす
日々の生活は、篠田さんの収入と不動産の家賃収入でなんとかなるので、手持ちの現金を2人の子供と奥さんに贈与して、さらに節税を目指します。
贈与税は、1人あたり年間100万円までの贈与なら非課税です。
1年間に最大で330万円現金を減らすことができるので、5年間贈与を続けると、「1650万円」課税財産が減るわけです。
自宅の相続には「小規模宅地等の特例」を
建て替えた自宅の宅地は、「小規模宅地等の特例」を利用して評価額を20%に抑えることにしました。
その結果、土地の評価額は「2000万円から400万円」へと減額できました。
節税効果をまとめると、「評価額は9230万円減額した1億770万円」に。
2億円をそのまま相続した場合の税額は「2850万円」で、節税を行った場合の税額が「745万円」。さらに「配偶者の税額軽減」を利用すると、「347万円」まで節税可能です。
お金のかかる駐車場を処分し、自宅を豪華にし、新しい不動産収入も得て、相続税の節税も実現。篠田さん一家にとって、大満足の成果です。
節税対策とは、「持っている財産を、いまよりももっと得をするような形に整える」行為です。
ただ、適当に対策をしても期待する効果は望めません。
一度、どういう財産の形があなたにとって最もお得なのか、税理士をはじめとする専門家に相談してはいかがでしょう。
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